「昭和史検定」はとくに専門的知識を問うものではありません。しかし、なにぶん64年間にわたる長い時代の、それも身近な衣食住から政治や経済・産業、あるいは戦争と国際関係に至るまで幅広い分野が対象となりますので、受験者のみなさまのために公式テキスト&練習問題集を用意しました。
初級用の『昭和のくらしを探検する』では、昭和30年代を中心に人々の生活をマンガ表現によってわかりやすくお伝えします。子どもの視線で見た学校や遊びの場面にウェートを置きましたから、当時を懐かしく思い出される世代にも、初めて昭和時代に触れる若い世代にも親しみを持っていただけるのではないでしょうか。
いっぽう、中・上級用の『昭和時代をいま読み直す』では、読売新聞の紙面も駆使しながら日本が辿った軌跡をいきいきと再現します。当時をよくご存じの方もきっと新たな発見と出会えるはずです。みなさまの知的好奇心に応えられるよう鋭意制作しましたこれらの公式テキスト&練習問題集をひもとき、いまを生きる私たちにとっての糧としていただけましたら、これに過ぎる喜びはありません。
昭和史検定委員会
○まえがきより
私たちが東日本大震災からの本格的な復興に立ち向かおうとするいま、昭和時代について学ぶことはたいへん意義が大きいと考えています。歴史とは一様に流れるのではなく、ときに深い切れ目が生じるものです。振り返ってみると、昭和時代も大正12年(1923)の関東大震災からの復興のなかで幕を開けました。やがて日中戦争・太平洋戦争をはさんで、今度は未曾有の戦災からの復興が始まり、その戦後の流れは経済成長を実現して昭和から平成へと移っても基本的に変化はありませんでした。そこにこのたびの東日本大震災が起こり、あまりにも深い歴史の切れ目を入れたのです。私たちはふたたび新しい時代に一歩を踏み出さなければなりません。その将来を健全で誇りあるものにしていくために、昭和時代はきっと多くのヒントを与えてくれることでしょう。
昭和史検定委員会
顧問 御厨 貴
御厨 貴(みくりやたかし)
東京大学先端科学技術研究センター教授。専門は近代日本政治史。昭和26年(1951)東京生まれ。東京大学法学部卒業後、ハーバード大学イェンチン研究所客員研究員、政策研究大学院大学教授などを経て、平成14年(2002)より現職。著書に『政策の総合と権力』(サントリー学芸賞)、『馬場恒吾の面目』(吉野作造賞)等多数があるほか、現代史のキイパーソンに聞き書きしたオーラルヒストリーの編纂でも知られる。本年4月、東日本大震災復興構想会議議長代理に就任。
-
- 第1章
- 昭和のくらし
- 第2章
- 学校生活
- 第3章
- 子どもの時間
- 第4章
- 技術の進歩
- 第5章
- 今も生きる季節の行事
- 第6章
- 世のなかの動き
「昭和史検定」初級練習問題
解答と解説 -
- 第1章
- 世界に類なき復興の原動力となった、日本の“ものづくり力”
日本人は何を作ってきたのか - 第2章
- 未曾有の出来事が日本を一夜にして生まれ変わらせた!
日本人はどうリセットしてきたのか - 第3章
- 「人間宣言」と「新憲法」を象徴として、戦争が始まった
日本人にとって天皇とはどういう存在だったのか - 第4章
- 粗食から飽食へ!
欧米的な体格を手に入れたけれど日本人の食とカラダ、どう変わったか - 第5章
- 戦前も戦後も常に求めたのは、グローバルスタンダードだった
日本人は世界とどうつきあってきたのか - 第6章
- 一億総中流化! みんな一緒に元気になった
日本人は何で活力を得てきたのか
参考資料
昭和史検定問題集
中級練習問題
中級練習問題解答と解説
上級練習問題
上級練習問題解答と解説