実家の朝食は毎日パンだったので小さなころからパンは好きでした。
私がパンシェルジュ検定を受験したきっかけは、仕事の幅を広げたいと思ったことからでした。
現在、私は京都にある「長楽館 ル シェーヌ」というフレンチレストランで働いています。長楽館にはシェフをはじめワインのソムリエ・チーズのソムリエなどフランス料理にかかわるスペシャリストがおります。お客様へ料理を楽しんでいただくために、それぞれがソムリエとしてアイディアを出しあい、お客様へのおもてなしを考えております。
そのような中で "自分ができることは何か "得意な分野でスペシャリストになりたい" と考えるようになりました。
そこで選んだのが、フランス料理では脇役でありながらもお料理を美味しく引き立てる存在の「パン」でした。
パンの資格を探していましたところ、パンの案内人「パンシェルジュ検定」のことを知りました。自分の仕事に役立つ資格と思いました。
2013年10月18日、私がパンシェルジュ検定を受験しようと決意した日です。今でも手帳に残っています。この日からパンシェルジュ検定の勉強が始まりました。2級・3級併願での受験だったので少し大変でしたが、公式テキストやパンにかかわる雑誌を読んだり、ベーカリーめぐりなどをしてテキストで学んだことを繰り返し覚えていきました。お伺いしたベーカリーでは、実際に作り方など教えてもらったこともありました。
「パンシェルジュ検定の勉強をしている」と話すと酵母や小麦粉の話をしてくれるシェフもいましたので、とても楽しく勉強できました。
今まで廻ったパン屋さんの記録はきちんと残しています。ベーカリーリストとして特徴を覚えておいて、長楽館のお客様へご案内することもあります。京都というと「和食」というイメージが強いですが美味しいベーカリーもたくさんありますので観光客の方にご紹介すると喜んでいただけます。
パンシェルジュ検定で学んだことは現在の仕事でも非常に役に立っています。例えばパンの切り方。お客様の目の前でパンをお切りする事もありますが、お客様のお好みやパンの種類によって切り方を変えて美味しく食べられるよう、ご提供しています。
また、アレルギーに関する知識も非常に役に立ちました。例えば小麦アレルギーの方向けのパン。長楽館では米粉100%でモルトを使わないグルテンフリーのパンをメニューに取り入れています。この米粉パンの製作にあたり、シェフのお手伝いをさせて頂きました。
米粉100%でなおかつ、モルトを使わずイーストを使用しているので、材料探しから焼き上げまでさまざまな苦労がありましたが、完成品は美味しく仕上がり、お客様には喜んでいただいております。
現在では長楽館のメニューにある "バケット・バターロール・米粉パン・抹茶ブリオッシュ" のなどの商品作りにも少しずつ参加させていただいております。季節ごとにパンを毎回考案していきたいと考えております。
仕事でのやりがいが増え、また引出が増えたことでお客様との会話も広がり、パンシェルジュ検定を受験してよかったと思っております。
全国に多くのベーカリーがありますが、美味しいパンの食べ方など、正しいパンの認識がないままパンは普及しているように感じます。
今後の目標は、パンの案内人・パンのソムリエとしてより知識を身に付け、皆様にご家庭でも美味しいパンを食べていただけるように、美味しいパンや食べ方などご紹介していきたいと思います。
また、私は天然酵母のパンが好きですので自分でも天然酵母から作る美味しいパンを作れるようになりたいと思っています。
パンシェルジュ検定1級の取得も来年春を目指して頑張りたいと思います。